ユリイカ 百合文化の現在 読んだ
先日片付けをしていて、昔買った『ユリイカ 2014年12月号 特集=百合文化の現在』を見つけました。
色々考えたことがあるので、ここに。
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百合はエッセンス
エッセンスとしての百合を見つけたい
百合の黒点
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66ページからの
「解放区としての百合」 中里一
毎日好きな人が変わる
69~70ページ
同性愛は治療すべきと断じるホモフォビアも、同性婚法制化を推進する活動家も、「クラスのなかの誰が好き?」と問われて苦痛を覚えない。どちらも同じ、〈格付け〉〈棲み分け〉〈共生〉のゲームをプレイしている。
……(略)……
同性婚法制化の活動家は、〈同性愛者〉〈両性愛者〉に、社会の健全な一員としての格付けを与えようとする。ありとあらゆる性的逸脱のすべてを救済することは、現実的な政治目標にはなりえない。
(私見)
全部が全部格付けのゲームによるとは限らないと思う。
同性愛者たちを救済したいというより
同性婚を可決することによって精神疾患に罹る人の割合が減って医療費の無駄がなくなっていい。
という理由で同性婚法制化を推進している場合もあるかもしれない。
70ページ
〈同性愛者〉〈両性愛者〉〈セクシュアリティ〉という概念は、〈格付け〉〈棲み分け〉〈共生〉のゲームの産物であり、その意味で〈右翼・左翼〉や〈保守・リベラル〉の仲間だ。
71ページ
現在の先進国では、〈セクシュアリティ〉はほぼ生得的なものとされている。
……(略)……
こうした発想が、〈格付け〉〈棲み分け〉〈共生〉のゲームの産物であることは、言うまでもない。〈格付け〉〈棲み分け〉〈共生〉のゲームが生み出したこれらの産物を利用して、その〈格付け〉〈棲み分け〉〈共生〉のゲームからの《安易な心理分析》のような侵食を受けない解放区を築き、そこで恋愛フィクションを読む・書くという遊びに興じる──それがBLと百合の戦略である。
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(私見)
同性愛は治療で変えることはできないことが科学的に証明されている。
「性的指向は永続的なものと定義される」
なので「同性愛は生得的なもの」とする考えは間違っていないと思う。
"Sexual orientation, homosexuality and bisexuality". American Psychological Association
http://www.apa.org/helpcenter/sexual-orientation.aspx
"
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(私見)
人と意見は関係ない
言っている人の所属より大事なのは意見の内容
だと思う。
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74ページ
解放区とストーカーと〈女性同性愛〉の組み合わせは、のちに解放区の種類を百合へと変えて、頻繁に見られるようになる。
(『Strawberry Panic』『Candy ⭐︎ Boy』『とある科学の超電磁砲』『魔法少女まどか☆マギカ』を例に挙げる)……
この一致と不一致に、ストーカー的なヒロインの面白さ、これほど頻繁に描かれる理由が表れている。万人の答えが一致する問題は、面白い問題ではない。
中里十の文 全体に対して
一
(私見)
相変わらず、独特な言い回しを使いますね。それは面白いのでいいとして、
全然関係のない事柄を入れ込むのは、どのような意図があって?
論の展開の仕方として、強引な感は否めません。
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各々の 百合の定義
百合観
中里一
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76ページ
「戦前の一般小説から読み取れる理想的家族像のなかでは、姉妹は非常に仲がいい。あまりよい説明ではないが、「百合的」としておく」。
この「百合的」としか説明できない何かは、なにしろ百合的なのだから、百合の核心的なモチーフである。
……(略)……
それは、《緊張と歓びの感情》をもたらすのではなく、安らかなものだ。長々と展開できるモチーフではない。画竜点睛とでもいうべき要素で、作品中に占める量的な割合としては、ごく小さい。そしてこの画竜点睛は、作品のみならず、全世界、日常生活、すべてを素晴らしくする。
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天野しゅにんた
「女子が二人いたら百合」
—難しい問いになると思いますが、天野さんのなかでは百合とはどんなものだと考えていらっしゃいますか?
天野 そうですね……なにが百合ですかね。女子キャラじゃなくても「百合だな」と感じることもあれば、女子キャラなのに「BLだ」というときもありますよね。でも基本は「女子が二人いたら百合」でいいんじゃないですか。
p.98
— 百合とレズビアンの定義も、よくわからないですよね。
天野 私が今まで聞いた中で一番納得した説明は、森島明子先生がおっしゃっていたものですね。「レズは一人でいてもレズ。百合は二人いるのを外部から見て決めるもの。本人たちがどう思っているかはともかく、外部から見てはじめて百合は百合になる」という。
p.98
観測したひとが「これは百合だ」と思ったらなんでも百合になるんですよ。その理論でいうと、私のキャラクターはレズビアンかもしれないけど、作品は百合ということになるでしょうか。
p.99
天野しゅにんた 「女子と/の恋愛 百合という観測問題」, 『ユリイカ2014年12月号 特集=百合文化の現在』、青土社
(私見)
まぁ、百合レズ論争自体が古いものですし………
キャラクターと作品で ジャンル分けが異なるという考えは新鮮だと思いました。
キャラクターも含めて作品の構成要素だと思っているので、理解に苦しむ。(レズはジャンルの意味もあるけど、レズビアンはジャンルじゃないか)
でも、やっぱり BL作品で百合を感じることは 私には不可能に思えますが………
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173ページ
綾奈ゆにこ––無粋な質問ですが、ご自身の思う百合の定義とは、どのようなものでしょうか。
綾奈 …(略)…
わたし、最近、心が広くなって……というか、大人になって余裕が出てきたのか「女の子がふたりいれば、百合だろう」と思うようになりました。180ページ
–– 綾奈さんにとって、百合とは?
綾奈 ライフワークです。自分の拠りどころだけど、まだ「百合ってなんだろう」って探してもいるというか。
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173ページ
綾奈
百合がよくわからない方の気を引けるようにと、興味を持ってもらえそうな単語を入れたり、文章のテンポには気をつけました。
それを説明するのではなく、全てを作品に込めて感じてもらうことが一番だと思いますが。
–– そうして「夢に包む」ように書かれたのがこのコラムなんですね。
綾奈 そうですね。自分自身の記憶をたどる作業にもなったし、文章にすることで、きれいなかたちで保存しておけるのもよかったなと思います。
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(私見)
ちいゆりはフィクションエッセイみたいな
私は 記録(事実)と創作は常に分けたいと考えている。余計に美化しなくても………
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––アニメのシナリオをか書かれるときに大切にしていることというと、どんなことでしょうか。
綾奈 展開も含めて、その子だから言える言葉をキャラクターに喋らせてあげたいです。別の子が言っても成立するようなセリフを言わせたくないなって。やっぱり、キャラクター至上主義でいたいんです。
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(私見)
なるほどね〜
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牧村朝子
『百合のリアル』という本を書いている人ですね。
89ページ
謝られました。
「百合ップルって呼んでごめんなさい」
いわく、現実に存在している妻と私とを、百合としてフィクションのように消費してごめんなさい、というのです。
90ページ
以上、百合レズ論争の主な戦場を巡ってまいりました。この狭間にいたからこそ私は、「百合ップルと呼んでごめんなさい」と言われたのでしょう。現実にも女性を愛する女性を、純粋な・非現実の・禁断とされがちな百合の中に閉じ込めてごめんなさい、と。そう言われて私は肩身が狭いです。
91ページ
いわゆるレズビアンに分類される私は、百合ップルとして消費される客体であると同時に、百合を消費する主体でもあるのです。
なんで肩身が狭くなるんですかね?
あなたは、レズビアンの代表なんですか。
百合ップルが失礼に当たる時
「百合ップルって呼んでごめんなさい」
私は「百合ップル」という言葉は使わない。
普段道端を歩いていて 女性2人が手を繋いで歩いているのを目撃したときなどは「ビアンだー百合だー素晴らしい。」と思って笑顔になる。が、そこで「百合ップル」とは思わない。
またクラスメイトなど身近な人たちで 女子たちの仲の良さそうな雰囲気を見つけた時、「仲いいな 少し百合っぽい」と思うこともある。 この場合「百合っぷる」と認識すると2人に限定されてしまう.飽きっぽい私は「もう少し多くの人,パターンで楽しみたい」と思うので やはり「百合ップル」は使わない。
そして、たまたま見かけた 私とは関係ない人 の百合は 百合として楽しんでも問題はないが、例えばクラスメイトなど身近な人の場合 彼女(たち)は話相手になる友達?でもあるので、私との繋がりがある。つまり、「見せ物」ではない。クラスメイトに百合を見るのは 私がそれを自分と繋がりのある(同じ次元に立っている)人ではなく「見せ物」として認識したこととなり、失礼に当たる,その罪悪感が私を苦しめることになる。
だから、私は身近な人では百合を見ない。「百合ップル」なんて使わない。
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同性婚を可決したい 社会に認められる利を以て
この政策は
同性愛者以外にも利があること
だから
同性愛者のためだけの政策ではない
救済なんて持ってのほか
多くの人にとって利があることだと認められれば
例えば
資本主義社会に「女性の考え方」が価値のあるものだと知れ渡り、認められたから
男女同権が実現されたのであって,多数派にとって 何の利にもならないのなら 差別は無くならない。
「最大多数の最大幸福」はやっぱり正しいと思う。
現実的に 真理
結婚していても愛人が…
百合作品紹介
Okazu エリカ フリードマン
ひぐらしの森
アルトの声の少女
シンデレラの罠
ホラー映画
『ハイテンション』(2003年 アレクサンドル・アジャ監督)
詩集『ガールフレンド』(1999年、七月堂)
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たかしま りか の紹介
"Tales of the Closet" (1987)
Ivan Velez Jr.
"Chop Suey" (2013)
Kris Dresen
"Friends" (2014)
Niki Smith
"12Days" (2006)
June Kim
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BLと百合
「BLで百合を感じた」とか 意味不明なことが書いてあった。
私は「デザインとして女性が好き」で 声ももちろん重視するので 私にはそう感じることは不可能である。) #BLで百合を享受する方法
「 昔は百合作品が少なかったのでBLを読んで 性別変換していた」とか 信じられない 本当なのだろうか。
だとしたら、百合作品が 増えてきて いい印象。
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総括 感想
2014年に出版されたものなので全体的に(言ってることが) 古い感じがするけど 面白い!
百合好きも百合好きでなくとも 読んだ方がいいと思います。